さて、うちにはたくさんの『暮らし』にまつわる本があります。
子どもが幼稚園くらいまでは、きちんと家事をこなせない自分が情けなく、
なんとかお友達を呼べるような素敵な暮らしに変えたくて、
色々な本を買っては、パラパラページをめくり、なるほど!と感心して、
そのまま本棚に溜めていく毎日でした。
本屋さんでその本を手に取ったときは、
もうすでに自分がその素敵な暮らしの中にいるような感覚になってしまうんですよね。
しかし最近は、子どもも大きくなって、自分で公園に遊びに行ってしまうし、
うちに遊びにくる子どもは限られていて、散らかってても大丈夫!と言ってくれるので、
まぁいっかと思ってしまい、
素敵な暮らしの本を読むことも、あまりなくなっていました。
ちなみに掃除機はかけてますし、ゴミもたまっていませんが、ゴチャゴチャした空間なんです。
いろんな色の家具や家電があって、おもちゃがいろんなところに乗ってる感じ。
センスのかけらもない。
そしてふと気づくと、本棚には相変わらずたくさんの、まだ読まれていない素敵な暮らしの本がありまして。
以前、それらの本をどんどん読んで、ここに内容をまとめて書くぞ!と決めていたのですが、
そんな素敵な暮らしに、気持ちがついていかない自分がいました。
あれもできていない、これもできていないと、自分を責めて落ち込んでしまい、
いやいや、これはもう別世界の人でしょ!と開き直っていました。
でも今は、「学ばせていただきます!」というチャレンジ精神が、
なぜかどんどん湧き上がっているのです。
なぜでしょう。春だから?
そこでまず読んでみたのが、整理収納アドバイザー Emiさんの本でした。
「わたしの暮らし、かえる、かわる。」
PHP研究所 (2016/7/21)
この本で、なるほど!と思ったのは、下記の2点です。
自分たちで変えられるものと、変えられないものがある
Emiさんがマンションを選ぶにあたって、どこにこだわったか?という点を述べていた部分です。
マンションの立地や外観、住人の雰囲気は、自分たちでは変えられないものだから、
その点をとてもこだわって選んだのだそうです。
逆に、間取りや内装は、自分たちの力で変えられる可能性があるから、希望のものでなくてもよいという気持ちがあったそうです。
古さ、狭さ、暗さは、そのイメージをいったん受け入れて、
家族の力で理想に近づけていく。
価値観や感覚は年齢とともに変わることもあるので、
その都度、家族にとってベストなカタチを模索して暮らしをつくっていく。
これは、家族をつくっていくことにつながる、と考えているそうです。
仕事に大きいも小さいもない
Emiさんのおじい様とお父様は、自営業の大先輩。
だから、いろいろと仕事に関しても報告されているとのこと。
素敵な関係ですね。
そのおじい様とお父様にアドバイスされたのが次のことだそうです。
「真面目に、がんばりすぎず、でもがんばること」
「でたらめをしないこと」
「体に気をつけること」
これは、私が起業したとき、祖父と父から教えてもらった言葉。
(p.104 l.2-5)
あるとき、祖父に「今度、大きな仕事が決まりそうやねん」と報告した日のことです。
祖父は、「えみちゃん、仕事に大きいも小さいもないで。それは覚えときなさい」。
(p.105 l.9-10)
これはとても深い言葉ですよね。
つい、大小をつけてしまうのは、とてもよく分かります。
しかし、その大小つけて比べてしまう精神を律することが大事なんだなと思いました。
そして、経営者の先輩である、友人のお母様の言葉も深いと思いました。
自分ひとりですべてを決めていたころとは違って、「もうちょっとここまでやってほしいなあ」
「自分だったらここまでやるのになあ」と、不足の気持ちが生まれることもありました。
そんなとき、経営者として何十年もやってきている友人のお母さんが、「えみちゃん、一緒に仕事してもらう人には、『半分』やってもらってちょうどいい、って思うのがいいよ」と教えてもらいました。
(p.143 l.5-9)
私には部下がいませんが、でも、誰かと仕事をするときに、こうやってくれたらいいのに、と思う気持ち、とても分かります。
これは、夫婦の関係も同じことが言えますよね。
仏像のように、半眼で物事をみることが大事なのかもしれません。