月に1回、『5時に夢中!』の木曜コーナーで、新潮社の中瀬ゆかりさんが、
その月のお奨めの本や映画を紹介してくれます。
2018年3月は、以下の3本でした。
関脇:『君の名前で僕を呼んで』(映画)
1983年夏の北イタリアを舞台に、17歳と24歳の青年のひと夏の情熱的な恋の行方を美しい風景とともに描いたラブストーリー。
アンドレ・アシマンの原作を映画化。
アカデミー賞で脚色賞を受賞。
大関:『ペリリュー 楽園のゲルニカ 1~4巻』(漫画)
武田一義 著
第46回日本漫画家協会賞優秀賞受賞。
昭和19年の夏。太平洋戦争末期のペリリュー島。
主人公は漫画家志望の兵士、田丸。
ペリリュー島は、サンゴ礁の海と美しい森に囲まれた場所だが、
東洋一と謳われた飛行場をめぐり、アメリカ軍4万人、日本軍1万人の戦いが繰り広げられる。
祖国から遠く離れたこの小さな島で、いったい彼らは何のために戦い、何を思って生きたのか。
一見、とても可愛い絵柄の中に、残酷さと深さが詰まった作品となっている。
横綱:『湖畔の愛』(小説)
町田康 著
こんなに腹を抱えて笑った作品はない。
龍神が棲むと言われている湖のほとりにある、創業100年のホテルが舞台。
色々な客がやってきて、ドラマが繰り広げられる。
天才が生み出す笑いは、かくも素晴らしいと思わせる作品。
大関に選ばれた武田一義さんは、以前『さよならタマちゃん』という作品を、
やはり中瀬親方のコーナーで紹介されたことがあるそうです。
こちらは、自身の癌闘病をテーマにした作品で、
アマゾンでは5つ星88%でした。(2018年4月1日現在)
こちらの作品も素晴らしい内容とのことで、今後読んでみたいと思います。
そして、『ペリリュー』。
中瀬さんが番組内で仰っていましたが、
食べるものがあって、
飲む水があって、
ゆっくり眠れるベッドがある。
これだけでも、すごいことなんだということが分かる、と。
ペリリュー島では、水を得るにも命がけだったそうです。
玉砕が約束された持久戦。
弾薬も食糧も補給がない中、昭和19年11月に戦いは終結。(始まりは昭和19年9月)
しかし「徹底抗戦」の命令を守った兵士たちは、昭和22年4月まで、洞窟に隠れながら抗戦を続けたそうです。
アメリカ軍の食糧貯蔵庫を襲撃し、3年分の食糧を確保。
遺棄物資や手作りの生活用品を用いながら2年近く洞窟内で生きながらえた。
生き残りの34人は後に「三十四会」(みとしかい)という戦友会を結成。
Wikipedeaには、そのように書いてあります。
不動産の仕訳処理が、吐くほどつらいなんて、ぬるいことを言って、ごめんなさい。
ペリリューの戦いは、本当にあった戦争で、
そして硫黄島や沖縄や、東京大空襲や。
私の父は防空壕を掘った話をしてくれた。
縁側で本を読んでいたら、空襲警報が鳴った話もしてくれた。
もっとたくさん、話を聞いておくべきだった。
あの時代を生きた皆さんに思いをはせ、心から感謝したいと思いました。