先日、ヨシタケシンスケさんの『ヨチヨチ父』を読みました。
ヨチヨチ父 とまどう日々
ヨシタケシンスケ 赤ちゃんとママ社; 四六版 (2017/4/22)
私はヨシタケシンスケさんの絵が大好きで、
とくに『もうぬげない』という絵本は私の中の一番の本だったりします。
もうぬげない
ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社 (2015/10/8)
ヨシタケシンスケさんの描く、ちびっこの背中からお尻にかけての線が、
なんとも言えず、自分の子と被るんですよね。
あと、ため息をつく、お母さんの姿が自分とかぶります!
線といい表情といい、どうしてこんなに上手なのかと思ったら、
やはり育児の体験者だったか!と合点がいきました。
さて、このヨチヨチ父を読んで、そうそう、その通り!とうなずくことが多かったわけですが、
とくに共感したのがp114~p115の「距離」という話でした。
というのも、子育てをしていてときどき、
いや、昔はもう頻繁に、
子どもをかわいくないと思ってしまう瞬間が、私にはあったからなのです。
はー…。
という深いため息と、
疲れた…。
という心からのつぶやき。
もうウンザリ…。
と深く深く、何度思ったかしれません。
しかし去年、小学校のPTAで広報委員の活動をしたときに、
今までになく学校内での我が子の姿を見る機会に恵まれ、
自分が思っている以上に、子どもは日々がんばっていて、
けなげだなぁと、つい泣きそうになってしまいました。
そしてやっと私は気づいたのです。
家の中では、子どもは本当に気を抜いていること。
外では、とてもがんばっていて、
でもあまりに近くにいすぎて、私には子どもの全体像が見えていなかったこと。
そのことに気づいてからは、子どもの習い事をちょこちょこ見に行ったり、
授業参観だけではなく、なるべく小学校のボランティアに応募して、
そのついでに様子を少し見に行ったりして、
子どもに対する
“かわいいなぁ。けなげだなぁ。がんばれ!”
という気持ちを失わないように、心がけています。
「家族をできるだけ遠くから離れて見てみる日」
P115
これって、実はとても大切なことなんじゃないかと思っています。
『ヨチヨチ父』ではこの他にも、
若い頃、あんなに「人と同じこと」を嫌っていた私たちなのに
こんなに「同じでありたい」と願うことになるなんて。
P71
など、共感できる文章満載です。
なにより、疲れ切ったパパとママの顔が、まさに我が家と一緒で笑いました。
ほんと、若者のときはあんなに“個性”だのなんだの言っていたのに。
子どもができて初めて、
「『普通』ってすごいんだ。」
って気づきました。
親がたくさん気をもんで、たくさんのお金や機会を投資してくれて。
それでやっと、私も世間一般の「普通」になれたんだなぁと、実感しています。
普通って、すごいことですよね。
そういうことに気づかせてくれる、
ヨシタケシンスケさんの本はどれも本当におすすめです。