続けてくれて、ありがとう。

「ブロッサム」というアメリカのシットコムをご存知でしょうか。

ブロッサム・ルソーという女の子が主人公で、

彼女の家族と周囲の仲間たちの暮らしを描いたコメディです。

1995年~1997年に、Eテレで放送されていたんですよ。

このブロッサム・ルソーを演じた女優さんは、

メイム・ビアリク(Mayim Bialik)さんと言います。

 

ちなみに当時、ブロッサムの吹き替えを相原勇さんが担当されていて、

今でもブロッサムというと相原勇さんのちょっとかすれた声が頭に浮かびます。

私はこのブロッサムというドラマが本当に大好きでした。

当時は月曜日の放送でしたので、

日曜日の夜は、「明日の夕方はブロッサムの放送だ!」と、

このドラマのおかげでサザエさん症候群にならずに通勤できていたようなものです。

(なので放送が終わった後は、本当に本当に月曜日が辛かったです…)

 

このドラマを見て、アメリカってすごいな!と思ったのは、

主人公のブロッサムが、ちょっといいなと思っていた男の子に乱暴されそうになった話を見たときでした。

ブロッサムが断っているのに、男の子がエスカレートしてしまい、

とうとう思い通りにならない彼女を殴ってしまうのです。

この話の終わりに、この役を演じたメイム・ビアリクからのメッセージとして、

 

自分の性を守ることは大事であり、何も恥ずべきことではない。

もしもそのことでいわれのない暴力を受けたなら、

躊躇せずに周りの人に相談してほしい。

自分だけで抱え込まないでほしい。

 

といったコメントを流したのです。

(うろ覚えですが、このような感じのメッセージでした。)

 

日本で、このような強いメッセージ性をもったティーン向けのドラマはおそらく無かったと思います。

なので当時、私はもう大人でしたけれど、強い衝撃を受けました。

 

そしてもう一つ、今でこそ、例えば学歴のあるお笑い芸人とか、

有名大学に通いながらアイドル活動をしているとか、

日本でも普通のことになってきましたけれど、

当時、このメイム・ビアリクがUCLAで海洋生物学(これもうろ覚えですが、確か)を学ぶと聞いたときは、

さぞかし競争の激しいであろうアメリカで、

人気シリーズのドラマの主役をしながらトップの大学に入学するとは。

これまたすごいな、と感心したものでした。

(IMDbというアメリカの俳優のデータベースを見ると、

当時ハーバード大学とイェール大学にも合格していたようです。

そして、後に海洋生物ではなく、神経科学の博士号を取得されています。)

 

大学入学とともに女優業は引退するようでしたので、

もうこれからは彼女のドラマが見られないことを、

私はとても残念に思ったものでした。

 

時は20年経ち、

今の私の一番のお気に入りドラマは、

『The Big Bang Theory』です。

理系のオタクたちと、偶然となりに引っ越してきた美女との関わりを描いたコメディです。

最初にこのシットコムのあらすじを聞いたときは、

どうせ何人もの恋愛経験なしの男性たちが、

ちょっとおバカな金髪美女にメロメロになる話でしょ?と思ったのですが、

さすがアメリカ、そんなベタな話ではありませんでした。

 

主人公は、

 

レナード・リーキー・ホフスタッター

シェルドン・リー・クーパー

ペニー

 

の3人で、さらに、

 

ハワード・ジョエル・ウォロウィッツ

ラジェッシュ・”ラージ”・クースラポリ

バーナデット・メリーアン・ロステンコウスキ・ウォロウィッツ

エイミー・ファラ・ファウラー

 

の4人が重要なキャストとして登場します。

恋愛話ももちろんあるけれど、

母親との確執だとか、

頭が良すぎるあまりの苦労だとか、

たくさんの要素がつめこまれています。

 

エイミー・ファラ・ファウラーは、

第3シーズンの最終話から出演しているのですが、

この役こそが、ブロッサムのメイム・ビアリクが演じているものなのでした。

神経科学の博士号を取ったのに、いつの間にか女優業に戻ってきてくれていたのです。

ちなみにエイミー・ファラ・ファウラーも、神経科学者という設定です。

 

ブロッサムでは美少女の主人公だったのに…。

みんなに愛される、クラスの中心的な存在だったのに…。

 

ビッグバンセオリーでは、幼少期から友達がいない、ものすごい独特なオタク女子を演じています。

ていうか、もう、そういう人にしか見えない…。

 

嬉しいなぁ。

第3シーズンの最終話でメイム・ビアリクを見たときは、驚愕とともにうれしくて、

ああ、やっぱり、何かを続けるって大事なことなんだなぁ、

続けてくれてありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

大人になったメイム・ビアリクを、また大ヒットのコメディで見られる日がきたことを、

とってもとっても、うれしく思っています。

投稿者: うずピータン

40代ってもっと大人だと思っていた。 いまだに色々あがいたり挑戦したりしています。 ブログ始めて3年たちまして、ただいま48歳でございます。