昨日の朝、私の住んでいる地域ではわりと大きな地震がありました。
ドン!という衝撃のあとに不規則な揺れがあり、すわ!いよいよか?と身構えた朝でした。
大きな地震がくると、5年前の東日本大震災を思い出します。
当時2人目の赤ん坊がすやすやお昼寝。上の子は幼稚園。
私は赤ちゃんの傍らで、あともうちょっとで幼稚園から帰って来るなぁ、10分寝たら準備して幼稚園のバス停までお迎えに行こう...それにしても、今日は眠いなぁ...
そんなことを考えながらうとうとと横になっていました。
すると突然、ドーンっ!と下から突き上げる衝撃が。
それでもいつもより大きな地震だな、少し待っていれば落ち着くと、それほど慌てることなく赤ん坊のそばで様子をうかがっていました。
ところがいつまでたっても揺れが収まらない。
いったい何分揺れる気だろう...。
まるで船に乗っているようで、だんだん酔って気持ちが悪くなってきました。
そのうち寝ていた赤ん坊もグズりだす始末。
「いい加減にしてよ!!」
私はなんと、地震に対して怒鳴り散らしました。
母親にとって、寝ている子を起こされるほどイラッとくるものはないのです。
しかしなかなか地震は収まりません。
私は関東の人間なので、子供のころから地震の経験はたくさんあります。
立っていられないほどの揺れに遭遇したことも何度かあります。
正直私は、地震よりも雷の方が怖いくらいです。
でも今まで地震というものは、じっとしていればそのうち収束するものだったのに、今回はいつまでたってもゆらゆらゆらゆら揺れ続けています。
なんだこれ...本当に地震?
経験したことのない長い揺れに、だんだんと恐怖がわいてきました。
やっと揺れが収まって、事態を把握したいと思ったのですがテレビがつきません。
大規模な範囲で停電が起こっていると分かったのは、それからしばらく経ってからでした。
状況が分からないまま赤ん坊を抱っこし、幼稚園のわが子は大丈夫なのかと不安でいっぱいです。
幼稚園から家の近くまで車なら15分くらいだけど、歩くとなったら一時間はかかる距離。
やたらに動かないほうがいい、いつものお迎え場所で待っていようとバス停に立つこと一時間、ようやく見慣れたバスがやってきたときは、ホッとして涙が出そうでした。
バスから降りてきたわが子は号泣。
初めての地震であれだけ揺れたら、そりゃ怖いよね。
先生にお礼を言って家に帰りました。
あとから聞いたら、国道246沿いは歩く人でいっぱいだったそうですね。
また友人は東京から横浜市の自宅に帰るのに、翌朝まで会社に留まり電車が動くのを待ったそうです。
ニュースでも帰宅困難におちいった人をたくさん見ました。
このことがきっかけで、私は働くにしても都心はやめようと思うようになりました。
できれば徒歩で帰ってこられる場所で働きたい。
でも今までの経験を活かすなら、電車で30分以上は移動しないと職は無い。
だったら、今までやったことがない世界に飛び込んでみよう。
でも40歳過ぎて新しくできることって、何?
たくさん調べて一つの結論に達したのが、Webデザインを学んで自宅で仕事をする、ということでした。
気づけば下の子もだんだん手がかからなくなり、そろそろ働いてもよい時期になりました。
それでも迷いに迷い、私はそれからさらに一年間石橋をたたき続けました。
お金がかかるし...本当に職に就けるか不安だし...
一年もの間どうしようとグルグル同じ悩みを持ち続けた結果、考えるだけ無駄だ!これはもう始めるしかないと、ついにとあるスクールに入学することにしました。
しかしデザイン系...おしゃれ番長みたいな人ばっかりなんだろうな...
どうしよう、浮いちゃう...。
私は毛玉のついたセーターとかスッピンで出かけるとか全然平気で、おしゃれとは程遠い人間なのです。
「な~に?あのおばさん...」って、白い目で見られるんだろうな。
スクールの初日、びくびくしながら東京方面へと向かった43歳の春なのでした。