入学初日、午前10時。
今日はWebデザイナーを養成するクラスのオリエンテーションで、これから半年付き合っていく仲間とのご対面であります。
緊張しながら教室に入るとMacがズラリと並んでおり、すでにいくつかのグループができあがっていて、皆さん楽しそうに笑っていらっしゃいます。
総勢10名くらいでしょうか。
見まわしてみると、想像していたような芸術的な感じの女性はあまりいません。
見たところ皆さん30歳前後くらいの若奥様といった感じです。
幼稚園でよく見かけるお母さんたちと、雰囲気はあまり変わりません。
少しほっとしながら私は端っこの席につき、気配を消して授業の始まりを待ちました。
しばらくするとインストラクターの先生が入室してきました。
おお！ばっちりお化粧をした、（私から見ると）若い女性です。
ちなみに昨今のおしゃれな人はみなさん、ネイルがとても素敵ですよね。
先生はWeb系の企業で実績を積み、今はフリーのウェブデザイナーとして活躍されている人で、おそらく私より15歳くらい年下といったところでしょうか。
もうそんな年下が、ベテランとして人を指導する時代になったんだなぁ．．．、私なにやってんだろう．．．と少し感傷的になったところでお次は生徒の皆さんの自己紹介です。
おおお、緊張する．．．
人前で話すこと、私はこれが本当に苦手なのです。
皆さんの前職は、元CAD、元金融機関の事務、元プログラマーと、私からみると華々しい職業の人ばかりでした。
そしてWebを本当にイチから学ぶほうが少数のようで、私も少数派の1人でした。
とうとう端に座る私にも順番が回ってきて、膝をガクガクさせながら発表しました。
頭に血が上って倒れそうでした。
そんなこんなで挨拶も終わり、今後の予定がざっくりと伝えられます。
・普段は自宅か学校で、各自好きな時間にオンラインの授業を受けます。
・ある程度オンラインの授業を受けると演習があるので、都度作成して教室に常駐しているインストラクターにチェックしてもらいましょう。
・そのほか毎月一回、教室に皆で集まり直接指導を受けます。
・毎回課題が出されるので、各自仕上げたものを発表してもらいます。
・なるべく早くソフトを習得しましょう。
・6か月後の卒業制作発表会に向けて、オリジナルのホームページを作成しましょう。
・Webクリエイター能力認定試験エキスパートに合格することが必須です。
ちなみにこのオンラインでの授業とは、アドビの各ソフトを習得するために受けます。
あらかじめ学校側が講義を録画しており、1つ1つの視聴時間は10分から15分ほどと短いのですが、総数となるとかなりのボリュームになります。
初めはillustratorというソフトの授業で、全部見るには12時間必要ということが分かりました。
「まぁ毎日1時間見れば2週間もあれば余裕かな。」
そう考えていたあの頃．．．
いやぁ、甘かった。
想像するのと実際やってみるのとでは、やはり大きな違いがあるものですね。
その話はまた今度。
さて最初に私が驚いたのは言葉の略しかたでした。
Photoshopがフォトショになるのは、なんとなく分かる。
でもillustratorがイラレて。
なんだかよく分からないけど、違和感が半端ない43歳。
Webと全く関係ありませんが、「元彼氏」が「モトカレ」になるのは分かるけど、「元彼女」が「モトカノ」っていうのもザワザワするんですよね。
「カレ」は分かるけど、「カノ」て。
彼女つながりで、私免許とったのも遅いのですが、どう考えても私より年上の教官（推定50歳）が「かのじょさん」（イントネーション上向き）と発言していたのを聞いて、
「おいおい、おっさんが若者に無理して迎合してんなよ！」
と心の中で毒づいたこともあります。
そこで疑問なのですが、最初にこれらの言葉を略したのって誰なんでしょうね。
そしてこれだけみんなが普通に使っているということは、市民権を得ているということですよね。
なんでもかんでも略すな！とプリプリ怒っていたけれど、2年経った今では、イラレに関しては別になんとも思わくなっているから不思議であります。
（元カノは40%くらいまだザワザワ、かのじょさんには100％ゾクッとします。）
さてオンラインの授業も、家の中だとなかなか集中して視聴することができず、結局わざわざ東京方面まで出向き学校で受けることにしました。
ある日、入学のときに色々お世話になったスタッフの人に「今日はどれくらい進みました？」と聞かれ、「今日は動画を2本見ました！（←えっへん！という気持ちで）」と言ったら、「うずピータンさんて面白いな～。」とクスッと鼻で笑われました。
1日2本じゃ、とても追いつけない量ですよ？このままじゃ卒業できませんよということだったらしいのですが、最初のうちはどうして笑われたのかよく分かりませんでした。
