30代も半ばになったころからでしょうか。
ある日、ふと気づくと、頬のあたりに薄っすらとした茶色の点々が、
雨後の筍のように出没していました。
あぁ、とうとうやってきた…。
私は高校生のとき水泳部で、
夏休みはゴーグルの痕でパンダみたいな顔して過ごしていましたし、
小学生のころは毎年、両親の実家に遊びに行き、
その近くにあった50mの市民プールに通うのが楽しみでありました。
とにかく、日焼け、日焼け。
日焼け三昧の夏を過ごしてきたわけです。
世間では私が高校生になったころから、
だんだんと日焼けが肌に悪いことが一般市民にも知らしめるようになってきて、
「将来シミにならないように、美白に力を入れよう」
という風潮にだんだんと変わってきたように思います。
シミを取りたいなぁ…と切実に思い始めたのは、一年ほど前のことでしょうか。
色々調べて、夏は止めておいたほうがいいらしいというのはつかみましたが、
〇〇が終わったら始めよう、
□□が達成できたらこれをしよう、
と、そんな「やりたいこと」のオンパレードだった私にとって、
「シミ取り」という行為は優先順位の一番下だったのでありました。
それがある日、
「この前テレビで『美容芸人』っていうの、やっててさぁ。
千鳥のノブさんがシミを取ってたんだよね。
うずピータンちゃんも、取ったほうがいいんじゃない?」
と、夫にポロリと言われまして。
あらま、自分でも相当シミがすごいと思っていたけれど、
あなたもそう思っておったのですね。
そしてちょうどそのころ、化粧の最後にピンクのチークを塗って外出したところ、
子どもに「ママ、殴られた痕みたいになってる…。」と注意されまして。
どうもシミの上にピンクをのせると、黒くなるみたいなんですね。
これはまずいと、諸般の事情により引き延ばしていたシミ取りに行くことにしました。