預金残高10万円なのに、3億円の融資が。女性専用シェアハウスで投資トラブル

2018年3月23日(金)8:14~8:32 日本テレビ『スッキリ』にて特集。

 

女性専用シェアハウスとは?1000億円以上の被害訴え・・・

 

私は、小規模ですが、大家をしています。

なのでこういった不動産関係の被害を聞くと、他人事とは思えません。

億単位の借金を、オーナーの皆さんはこれからどうやって返済されていくんだろうと思うと、胸が苦しくなります。

銀行融資のための書類が改ざんされていたり、

「30年家賃保証」を契約書でも謳っていたわけですから、

なんとか国民生活センターなどで助けてあげられないのでしょうか。

贅沢をしようとしていたんじゃない、家族の未来を少しでも楽にしてあげたい、

そんな思いで物件のオーナーになったのに、あまりにもかわいそうです。

 

 

“被害オーナー“が悲痛・怒りの訴え 女性専用シェアハウスで投資トラブル

 

シェアハウスの投資でトラブルを抱えた5人が、お話しされていました。

 

48歳男性 購入価格:1億3000万円

44歳男性 購入価格:約1億円

42歳女性 購入価格:3億円(2棟)

52歳男性 購入価格:3億円(2棟)

45歳男性 購入価格:1億4000万円

 

それぞれ一般企業に勤めている会社員の方々です。

 

以下、箇条書きにまとめます。

 

月々、ローン返済を抜いて25万円くらい、

シェアハウスからの収入がある予定だった。

 

当初、“長期間にわたって利益を得られる”と言われていたが、

不動産会社からの支払いが、突如ストップした。

 

シェアハウスを投資家に紹介していたのは、東京・銀座の不動産会社、スマートデイズ。

6年前からシェアハウス事業を始め、今では都内を中心に約800棟(1万室以上)あるという。

 

シェアハウスのオーナーは、銀行から億単位の融資を受け、

それを資金にスマートデイズからシェアハウスを購入する。

購入した物件は、中古をリノベーションするのではなく、

新たに土地を買って、建築会社と契約をして、上物を建てたもの。

スマートデイズは、そのシェアハウスを一括して借り上げて、

入居者をつのり、家賃を集める。

そこから経費などを除いた分を賃料として、毎月オーナーに支払う仕組み。

 

こうして、借り上げて家賃保証する形式を「サブリース」と言い、

物件や入居者などの管理は不動産会社に任せる運用方法である。

銀行へローンを返済しても、家賃によって月々約25万円の利益が30年保証されていた。

(実際の契約書もテレビに映りましたが、「30年定額」と記されていました。)

 

シェアハウスの入居者の数にかかわらず、毎月定額の収入が保証されることになっていた。

 

こうした投資話を信用し、オーナーは700人以上にのぼり、

スマートデイズのシェアハウスは急速に拡大した。

 

しかし、実際に月々の収入があったのは、この5人の中では3人。

2人の男性は、賃料を受け取ることは、一度もなかった。

 

スマートデイズのHPには、

今年の1月31日にサブリース賃料の支払いが困難に陥った、とし、

オーナーへの利益の支払いがストップした旨、掲載されている。

 

不可解なことが2つ。

 

1.ウソの入居率

 

物件を購入するとき、オーナーは8~9割の入居率があると聞いた。

 

ところが、今年1月に就任した社長(菅澤聡社長)は、

内部調査の結果、実際は45%だったことを発表。

 

こうした状況で、シェアハウス事業は毎月5億円の赤字を出す。

 

 

2.書類の改ざん

 

オーナーの多くは中堅クラスのサラリーマン。

それにも関わらず、銀行から1億円~4億円を借り入れていた。

なぜ、多額の融資を受けられたのか。

 

あるオーナー(男性:50代)が銀行の借入審査のために提出した、

預金残高を示す書類をテレビに映す。

その額およそ48万円。

しかし、実際に銀行の審査に使われた書類では、預金残高の数字が1500万円以上になっていた。

桁も数字も、まったく違うものに変えられていた。

 

スッキリでお話しされた42歳女性も、

10万円くらいの預金残高の書類を提出したところ、3億円のローンが下りた。

今回の問題の発覚後、

「あなたは、3000万円の預金の残高証明書が出されていますよ」

と銀行の担当者から告げられた。

 

さらに、収入を示す源泉徴収票も、あるオーナーが提出したものは、年収582万円。

 

しかし、銀行の審査に使われたものは、812万円。230万円水増しされていた。

 

銀行に書類を提出していたのは、スマートデイズではなく、仲介する販売会社。

オーナーは、この販売会社を経由して、審査に必要な書類を銀行に提出していた。

改ざんは、この過程で行われたとみられている。

 

借入先のほとんどは、静岡県の地方銀行、スルガ銀行。

オーナー側が銀行に問い合わせると、

通帳などの原本を確認するという本来の手続きを怠り、

ずさんな審査があったことを認めた。

 

 5人のオーナーが訴えていた事

 

・理由が定かではないが、購入する建築中の物件を見たいとスマートデイズに言ったら、なぜか非常に嫌がられた。

・億単位の融資を受ける際、スルガ銀行の支店からは「この土地・建物は融資額に見合った価値」と評価された。ところが賃料の振込がストップした後、融資を受けた支店ではなく、この問題を調査するスルガ銀行の本部にある審査部に聞いたところ、これらの物件にその価値はないと言われた。価値は融資額の約3分の1と言われたオーナーもいる。

・通帳の預金残高が改ざんされた

・実際の入居率は45%程だった

 

今後の問題として、土地と建物を売っても、多額のローンは残ったままになってしまう。

また、シェアハウスとして別の不動産会社に運営してもらっても、

その賃料では、月々のローンの返済額にまったく足りない。

 

【弁護士 菊地幸夫さん】

スマートデイズの計画、「30年家賃保証」が、まず計画として成り立たない。

少子化で入居率がどんどん下がっているという今の状況で、

これは損することがはっきりしている計画。

銀行側の融資も非常に甘い点が問題。

 

そしてオーナー側も、

本当に30年間利益が出る物件なら、

なぜスマートデイズ自体が運営しないのか

(なぜ投資を募ってオーナーを募集するのか)、

といった点を、もっと慎重に検討する必要があった。

 

【不動産コンサルタント長嶋修さん】

初期の物件は立地もよくニーズもあった

事業を拡大するにあたり、都心から離れた物件が増え、

その結果、ニーズが少なく入居率低下につながった。

しかし家賃保証のために、さらに物件を増やすという、自転車操業の状態になった。

 

この件は今後、刑事告発をする予定になっている。

また、金融庁も動きだしており、

スルガ銀行に対し、融資の審査体制などについての報告を義務づけた。

 

この特集を見て思ったこと

 

小さいながらも大家をしていると、「空室」をいかに埋めるか、というのは、

当然ながら一番に頭を悩ます部分であり、難しい問題だったりします。

しかしながら、「家賃〇〇年保証」には、飛びつかないほうがいいと、よく聞きます。

大家にとって、空室でも家賃が入るのは魅力的。でも、〇〇年、ずっと同じ金額ではないのです。

あくまで「家賃収入」が保障されているだけで、「家賃の金額」が保証されているわけではないのです。

 

しかし今回の場合、その「家賃収入」さえ、反故されていたとは…。

(しかも「定額」って書かれていたわけだから、家賃の「金額」も保証されていたということですよね。)

契約書があるのに、それが有効でないのなら、

提出した書類が、知らないところで改ざんされていたなら、

我々はいったい、何を信じればいいんでしょうね?

 

「そんなうまい話があるわけないじゃない」と切り捨てることは簡単です。

でも私は、本当に他人事とは思えないです。

 

どうか、オーナーの皆さんが救済されることを、

法律が守ってくれることを、

心から願ってやみません。

投稿者: うずピータン

40代ってもっと大人だと思っていた。 いまだに色々あがいたり挑戦したりしています。 ブログ始めて3年たちまして、ただいま48歳でございます。