専門校を卒業し、バナー広告作成のための勉強を始めました。
具体的には、録画しておいた講義動画を何度も見て、後回しにしていた演習に手をつけトレーナーさん等に相談に乗ってもらったりしました。
しかしバナー広告、やってみると意外と難しいのです。
初めはただ画像を加工して組み合わせて文字を入れればそれで出来上がりと思っていたのですが、「文字を目立たせる」というセンスがどうやら私には欠けているようでした。
文字をただ大きくするだけではなく、加工して配置も綺麗にしてる、これでよし、文字も目立ってるし出来上がりだ!と思うのですが、トレーナーの人にチェックしてもらうと、うーん、まだまだだね、と言われてしまう。
「なんか地味」とかね。
だからといって、「こんな感じにすればより良くなりますよ。」というような正解を教えてもらえるわけではありません。
「文字をもうちょっと工夫してください。」
ただ、それだけ。
少子化の中、生徒として新しいターゲットとなったのが主婦層なのでしょうけれど、卒業後に活躍できているかとなるとおそらく伸び悩んでいるのではないかと想像します。
理由としては出産や育児、夫の赴任や介護など、さまざまなライフステージの変化により、せっかくWebの知識を学んだものの仕事としてはなかなか続けられないこともあるとは思います。
しかし伸び悩んでいる最大の原因は、「なんか地味」「もうちょっと工夫して」、ここにあると私は思うのです。
つまり、学校側が考えているほど、世間に通用する力をカリキュラムとして生徒に提供できていないのではないでしょうか。
おのおののソフトの使い方は分かるようになった、作品に何が求められているかということも分かる。
でも何かが足りない「こと」は指摘されても、そこを埋める「もの」は教えてもらえない。
その「もの」とは経験ですよ、もっとたくさん作って、もっとたくさん見ましょう、自分で調べて経験して学んでいくもので、人から教わるものではないんですよ、ということなのは分かります。
しかし若者の就職とは違うのです。
若者は、未経験でもその将来性で受け入れてくれる会社がたくさんあるでしょう。
しかし一度社会を離脱した、われわれのような主婦層はどうなのでしょうか。
私、もう40代ですよ?
実社会でたくさん経験する時間も、受け入れてくれる土壌もないのです。
その時間の無さ、土壌の無さを埋めてくれるようなカリキュラムを提供できる学校なら、もしかするともっと生徒が増えるのではないでしょうか。
学校側からしたら、今でもじゅうぶん生徒が集まってるし、主婦の卒業生でもガンガン稼いでいる人は何人もいるし、卒業時に実力が足りないのはあなた自身の問題なんじゃないの?と言いたいのは分かってるんですけれども。
でも私のように、例えばバナーの文字がいまいち地味なのしか作れない生徒がいたら、こういう風にすると良くなりますよ、とアドバイスができる学校であるなら、授業料を払ったかいがあるというものではないでしょうか。
さて文句を言ってみても仕方がないので、世の中の素晴らしいバナーを集めたWebページを見て研究しました。
しかしいったい自分に何が足りないのか、どうやったらこれ以上文字が目立つようになるのか、さっぱり分からないまま時間が過ぎていきました。
バナー広告の勉強を始めて2週間、まだ実力が足りない状態でしたが、期限も迫っていることなので制作会社の試験を受けることにしました。
この制作会社は私の通っていた専門学校と提携しているので、まずは学校の事務へ試験を受ける旨メールをしなければなりません。
学校の説明では「卒業後の1か月、猶予があります。」とのことでしたので、その間ならいつでも好きな日に受験できると思っていました。
ところが事務から「○月○日でしたら、試験を受けられます。」と、今から2日後を指定したメールが返ってきました。
・・・???
試験日って決まってるの?自分で決められないの?
しかも試験日まであと2日しかないんかい。
念のため他の候補日はありませんか?と問い合わせたところ、今度は20日先の日付を指定してきました。
その日ですと猶予期間を過ぎてますけど、大丈夫ですか?と聞きましたら、その場合は学校のサポートはできませんので、個人で申し込んでいただく形になりますと言われました。
うーむ、どこにでもあることだとは思うのですが、歴史の浅い所って後出しじゃんけんが多くて困ってしまいます。
この学校に在籍中も、最初にもらったスケジュール表と違うものがいつの間にか配られていたり、説明がないまま当たり前のように物事が進んでいたり。
今回の件も、あたかもいつでも受けられる試験のように言っておきながら、1か月のうちに1~2回のチャンスしかありませんと直前になっていきなり宣言されてしまったような印象です。
しかし今更そこを突っ込んでも仕方がないので、それでは2日後の試験でお願いしますと申し込みました。
試験内容は与えられた課題のバナー広告を締切日までに作成することで、1度修正依頼が来て再提出、そして合否が決まります。
デザイン関係全般に言えることですが、修正依頼は必ずあるものだそうです。
なのでとにかく締切日厳守、きっちり提出することが大事とアドバイスを受けました。
試験後しばらくして制作会社からメールで連絡があり、やはり実力が足りないので本来なら採用は見合わせるところなのですが、まずは単価の安い簡単な修正等から始めてみるというので良ければ契約します、とのこと。
おおお!ぜひぜひ!
実力が足りないのは重々承知のことだったので、むしろ簡単な作業からというのは本当にありがたいことです。
そんなこんなで無事に契約も終わり、すぐに第1回目のお仕事をいただくことができました。