行正り香さんといえば、料理研究家だけではなく、
素敵なインテリアに住んでいらっしゃる人、というイメージがとても強いです。
以前からデンマークの暮らしの良さを、文章でよく読ませていただいており、
柔らかい灯りや、シンプルなのに心惹かれるカトラリー、壁にかかった絵、
私もこんな部屋で過ごしたい!
・・・でも、私のような超ズボラ人間にはハイセンスすぎて、
写真で見る行正さんのお家は、
お金持ちの人の世界なんだろうなぁ、
なんて別世界の暮らしとして見ていました。
講演会に思い切って行き、初めてご本人を拝見したとき、
なんて素敵な人なんだろう、
私よりも年上なのに、
スタイルも、何もかもが違う。
「しなやか」
という表現がぴったりの人でした。
でも、
電通で働いていたこと
お料理の本をたくさん出版されていること
有名人のお友達がたくさんいらっしゃること
ハイセンスなお家に住んでいらっしゃること
お店をプロデュースなさっていること
NHK worldでお料理番組を持たれていること
すべてが、遠い遠い存在でした。
だって、私と一つも共通点がない!!
なのに急に、なぜだろう。
私も近づきたい!
あんな風に暮らしたい!
あんな風ないでたちで颯爽と歩きたい!
と思ってしまいました。
部屋だけでなく、服装やご本人の雰囲気に、近づきたいと思ってしまったのです。
本当に、なぜ?
私、全然、センスないのに。
遠い世界の人であることには違いないのに。
きっとあらためて今回、行正さんの本を読んでみて、
素敵なインテリアもお洒落も、人の真似をしたり、本を読んだりすれば、
学ぶことができるのでは?と感じたせいかもしれません。
服装について、行正さんは40代後半のときに
「自分流でちぐはぐな姿で街を歩くのはよくない」
と気づかれたそうです。
「年をとればとるほど、人様にとって汚い存在となっていくのだから、お化粧やおしゃれをすることは礼儀だ」と祖母に言われたからです。
というわけで今は、雑誌などでおしゃれなコーディネートを発見したら、まるまる真似っこしております。
(p.60)
私もこれは、以前から思っていました。
年齢を重ねれば重ねるほど、お化粧やおしゃれは、自分のための“趣味”ではなく、人様に対する“身だしなみ”になっていく。
ところで草笛光子さんの写真集を、先日本屋さんで見かけ、
あまりの美しさに、ハッと足を止めてしまいまいた。
お年を召した方で、ここまで美しい日本人が今までいらしたでしょうか。
年齢を重ねた先、あんなふうにキリッとした人でありたいと思います。
そして今、服装やインテリア、ものの考え方など、行正り香さんの本で、
少しずつ学んでいるところなのでした。